定住者ビザ:日本人と離婚した場合

日本人と離婚した場合、日本人配偶者との正常な婚姻生活が3年以上継続していた、日本人配偶者との間に実子がいるケースに該当する場合は、定住者ビザへ変更できる可能性があります。

配偶者ビザ(在留資格「日本人の配偶者等」)で日本に住んでいる外国人が日本人と離婚した場合で、離婚後も日本に在留を希望する場合は、離婚から14日以内に「配偶者に関する届出」を提出しなければなりません。

日本人配偶者との離婚後6ヶ月はそのまま日本に在留できますが、離婚後6か月を超えると在留資格の取消しの対象となります。そのため、それ以降は何らかの在留資格に変更する必要がでてきます。

離婚後に就労ビザ(技術・人文知識・国際業務ビザなど)に変更する場合は、学歴や一定年数の職歴が必要であったり、就労ビザで働ける職種で採用されなければならず、学歴要件を満たしていない、就職先が見つからなかったなど、就労ビザを得ることはなかなかハードルが高いです。

離婚後に再婚をして配偶者ビザを取得するケースもありますが、再婚する相手がいないケース、再婚を希望しないケースもあると思います。ビザを取得することだけが目的で再婚すると偽装結婚になります。

日本人と3年以上の正常な婚姻生活が継続していた、あるいは日本人配偶者との間に子どもがいる場合は、配偶者ビザから定住者ビザへの変更ができる可能性があります。ここでは定住者ビザへの変更について説明します。

日本人配偶者と3年以上の婚姻生活が継続している(離婚定住ビザ)

日本人配偶者との正常な婚姻生活が3年以上継続している場合、定住者ビザへの変更が認められる可能性があります。この定住者ビザは離婚定住ビザと呼ばれています。

正常な婚姻生活とは原則日本人と同居して実体を伴った生活であることを指します。ただ単に結婚後3年経過しているから大丈夫だ、というわけでありません。

例えば結婚してから間もなく別居をして日本人配偶者と同居をしていないケースであったり、婚姻期間が3年以上続いていても同居をせずに長く本国に帰っていた、などといったケースについては定住者ビザへの変更は認められない可能性が高いです。

離婚後に日本に再入国をする意思表示をせず出国してしまった(在留カードに穴が開き失効している)場合も定住者ビザへの変更は認められません。

離婚定住ビザは必ず配偶者ビザ(在留資格「日本人の配偶者等」又は「永住者の配偶者等」)から変更申請をしなければなりません。離婚後に配偶者ビザの期限が切れてしまい、本国に帰国してから在留資格認定証明書交付申請をすることはできません。

離婚定住ビザへの変更が認められるためには「生計を営むに足りる資産又は技能を有すること」を満たしていることを立証する必要があります。

具体的には日本で独立して生計ができるだけの収入があることを示すことが求められますので、現在仕事があり、例えば20万円以上の月収があるのであれば問題はないのですが、現在仕事がない状態であればすぐに仕事を見つけ、今後日本で安定した生活が可能なことを示す必要があります。

離婚定住ビザへの変更については、日本人配偶者と離婚に至った経緯・理由の説明が求められます。

日本人配偶者からDV被害を受けていた、不倫をされていた、家にお金を入れないなど、離婚に至った合理的な理由があれば、それらの日本語により丁寧に説明していくことが重要です。

日本人との子どもがいる場合(養育定住ビザ)

日本人との間に生まれた未成年の子供がいる場合で、離婚後に外国人自身が親権をもって日本国内で育てていく場合には、定住者ビザへの在留資格変更が許可される可能性があります。未成年者である18歳未満であることが必要です。

この定住者ビザは養育定住ビザと呼ばれています。外国人が母親だけでなく、外国人が父親の場合でも認められます。

養育定住ビザでは婚姻の有無は問われず、日本人との間に誕生した未成年の実子の親権があり、日本国内で監護養育することによって要件を満たします。離婚定住ビザのように一定年数の婚姻期間を要件として求められることもありません。

次に日本人との実子をこれまでに相当期間養育してきた実績があることが認められないといけません。実子と同居するのでなく、本国の両親(実子の祖父母)に預けて育ててもらう、長い間面倒をみてもらっているというのであれば、離婚後に親権があるというだけでは相当期間監護養育してきたことを立証することにはならないです。

また、生計を営むに足りる資産や収入があることも養育定住ビザが認められるために必要です。養育費をもらっている、生活費を負担してもらっている場合にはその分についても収入として説明ができますので、養育定住ビザを申請するときに生計ができるだけの収入があることを立証していきます。

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