在留資格認定証明書:夫婦が海外在住のケース

海外在住のご夫婦が会社から辞令を受けて日本に帰国することになった、海外で夫婦と子供とで暮らしていたが、日本に外国人配偶者と子供とそろって帰国することになったなど、夫婦(あるいは家族全員)で日本に帰国して日本で生活を開始するにあたっては、外国人配偶者の方の長期滞在のための在留資格である「日本人の配偶者等」(いわゆる配偶者ビザ)の許可をもらう必要があります。

そのためには、日本の出入国在留管理局(入管)在留資格認定証明書交付申請を行う必要があります。
手続きの流れ
日本の入管在留資格認定証明書の許可をもらう、
在外日本大使館・領事館在留資格認定証明書に基づくビザを発給してもらう、
日本に入国する、となります。

在留資格認定証明書交付申請ができる方は、日本に住所がある(住民票がある)方が該当しますので、日本に住んでいる日本人配偶者の親族(ご両親、兄弟姉妹など)に協力してもらうこと(日本在住の親族に申請代理人になってもらうこと)により、日本人配偶者が先に自分ひとりで日本に帰国することなく手続きを進めることもできます。

日本人配偶者が先に日本に帰国してから外国人配偶者を呼び寄せる場合は、日本の市区町村で転入届をして住民票を入手し、日本人配偶者が申請代理人として出入国在留管理局に在留資格認定証明書交付申請を行います。

外国人配偶者の呼び寄せの流れ

  1. 国際結婚手続きが完了していることが前提。(両国で結婚手続きを済ませる)
  2. 日本の出入国在留管理局で在留資格認定証明書交付申請を行う
    【パターン1】日本在住の親族に協力してもらうケース
    【パターン2】日本人配偶者が先に日本に帰り申請するケース があります
  3. 「在留資格認定証明書」が許可されたら、海外にいる外国人配偶者に送付し、必要書類とともに在外日本大使館・領事館にてビザの発給申請をおこなう
  4. 日本に入国し、入国審査を経て在留カードを取得する。14日以内に市区町村役場に住所地の届出をし、在留カードの裏面に住所地の記載をしてもらう。

在留資格認定証明書交付申請の審査期間は通常1~3か月です

在留資格認定証明書は簡易書留で届きますが、この在留資格認定証明書の原本を外国にいる外国人配偶者にEMSなどの国際貨物郵便で送ります。現在は在留資格認定証明書の原本の代わりとして写しでの手続きも可能です。

外国人配偶者はこの在留資格認定証明書を日本大使館又は領事館に提示し、査証(ビザ)を申請します。

日本入国の際にビザ(旅券に貼付されます)とともに在留資格認定証明書を提出し、入国審査後、在留カードが交付されます。

配偶者ビザは初回の在留期間は1年になるケースが多いですが、婚姻期間が長かったり、夫婦にお子さんがいる場合など婚姻が成熟していると評価されると初回でいきなり3年ビザが許可されることもあります。配偶者ビザは在留期限の3か月前から更新申請ができます。将来的には3年ビザ・5年ビザの許可を目指したり、永住許可がもらえれば永久に日本に滞在することができます。

在留資格認定証明書とは

「在留資格認定証明書」(Certificate of Eligibility:略してCOE)とは、法務大臣が発行する証明書のことで、外国人配偶者が「日本人の配偶者等」の在留資格該当性の要件に適合しているかどうかについての事前審査で許可になった場合に交付される証明書を指します。

外国人配偶者が「在留資格認定証明書」を在外日本国大使館・総領事館に提示してビザの申請をした場合には、法務大臣の事前審査を終えているものとして扱われるため、ビザの発給は迅速に行われます。また、外国人配偶者が日本入国の際、「在留資格認定証明書」を入国審査官に提示することより入国審査も簡易で迅速に行われます

「在留資格認定証明書」は日本人配偶者や行政書士が管轄の出入国在留管理局に申請することができます。(入管局に申請取次者として届出済の行政書士は申請書類の作成、提出、結果の受領を一括で受任することができます。⇒申請取次行政書士とは

「在留資格認定証明書」が発行されたらその原本を外国人配偶者に送付し、「在留資格認定証明書」原本を持って在外日本国大使館・総領事館に査証の発給申請を行います。査証が発給されたら日本へ入国し、空港や港で入国審査を経て在留カードが発行され、日本での長期滞在が可能になります。

外国人が行おうとする活動に在留資格該当性・上陸基準適合性が認められる場合でも、その外国人が上陸拒否事由に該当するなど他の上陸条件に適合しないことが判明したときは、在留資格認定証明書は交付されません。

申請取次行政書士として

申請取次行政書士とは、出入国管理に関する一定の研修を受けた行政書士のことであり、本人(又は申請代理人)に代わって出入国在留管理局に申請書類を提出することができる行政書士のことです。申請取次行政書士は申請書類一式の作成・申請書類の提出・在留資格認定証明書の原本の受領まで一括で承ることが可能です。

当事務所代表行政書士は、所属の東京都行政書士会を通して東京出入国在留管理局に申請取次行政書士の届出を行っております。

在留資格認定証明書交付申請の申請代理人は、日本人配偶者の親族の方(夫婦が海外在住のままで申請するケース)又は日本人配偶者本人(日本人配偶者が先に帰国して申請するケース)が該当します。

当事務所では、外国人配偶者の方が日本での長期滞在のための在留資格認定証明書交付申請に係る書類一式の作成および出入国在留管理局への申請・在留資格認定証明書原本の受領をワンストップで承ります申請人・申請代理人の方が地方出入国在留管理局に足を運ばれる必要はありません。ご不明なことがありましたら遠慮なくご連絡ください。

必要書類

法務省のホームページに案内されている在留資格認定証明書交付申請の必要書類は、最低限のものになります。⇒出入国在留管理庁のホームページ

申請人ごとに結婚に至る経緯などの諸事情は異なるため、提出書類を追加し、偽装結婚でない真実の結婚であることを申請人側で立証していく必要があります。

出入国在留管理庁ホームページ案内の必要書類
  1. 在留資格認定証明書交付申請書 1通
  2. 写真(縦4cm×横3cm) 1葉
  3. 配偶者(日本人)の方の戸籍謄本(全部事項証明書) 1通  ※ 申請人との婚姻事実の記載があるもの。
  4. 申請人の国籍国(外国)の機関から発行された結婚証明書 1通
  5. 配偶者(日本人)の住民税の課税(又は非課税)証明書及び納税証明書(1年間の総所得及び納税状況が記載されたもの) 各1通
  6. 配偶者(日本人)の身元保証書 1通  ※ 身元保証人には、日本に居住する配偶者(日本人)がなること
  7. 配偶者(日本人)の世帯全員の記載のある住民票の写し 1通
  8. 質問書 1通
  9. スナップ写真(夫婦で写っており,容姿がはっきり確認できるもの)2~3葉
  10. 434円切手(簡易書留用)を貼付した返信用封筒

短期滞在(90日)査証で日本に入国しているケース

やむを得ない特別な事情が認められる場合

手続きのフロー

  1. 短期滞在90日(査証免除含む)で来日
  2. 来日中に結婚手続きをする
  3. 入管局で「日本人の配偶者等」の在留資格変更申請を受理してもらう

外国に住んでいる外国人と結婚し、日本で一緒に生活する場合は原則として婚姻手続き完了後、在留資格認定証明書交付申請を行い外国人配偶者を呼び寄せることになります。

しかし、在留資格認定証明書による呼び寄せは通常1~3か月の審査期間を要し、国際結婚手続きの期間を含めると数カ月も離れ離れに暮らさなければならなくなります。

短期滞在ビザで呼び寄せた上での「日本人の配偶者等」への在留資格の変更は原則認められておりません。しかし、「やむを得ない特別な事情」がある場合には例外的に短期滞在から「日本人の配偶者等」への在留資格変更が認められることがあります。「短期滞在(90日)」で入国し、その後直ちに婚姻手続きを完了させて夫婦同居生活を開始する場合には、やむを得ない特別な事情があるものとして地方出入国在留管理局で「日本人の配偶者等」に在留資格の変更許可申請を受け付けてもらえる可能性があります。その場合、地方出入国在留管理局に書類を準備した上で事前相談を行い、申請を認めてもらう必要があります。外国人女性がすでに妊娠をしている場合なども、特別な事情があるものとして配偶者ビザへの在留資格変更許可申請が受理される可能性が高いです。

外国人配偶者が日本大使館・領事館に「短期滞在」90日ビザを申請します。(欧米諸国韓国・台湾・オーストラリアなど査証免除協定を結んでいる国は査証申請は不要です。)タイや中国、フィリピン、ロシアなど日本人と結婚件数の多いアジア諸国は、在外公館で査証申請をすることになります。「短期滞在」の査証により来日し、速やかに結婚手続きを完了させた上で、最寄りの地方出入国在留管理局で「日本人の配偶者等」へ在留資格変更許可申請を行います。

入国後、在留資格認定証明書交付申請をする場合

手続きのフロー

  1. 短期滞在90日(査証免除含む)で来日
  2. 在留資格認定証明書交付申請をする
  3. 滞在中に在留資格認定証明書が許可される
  4. 入管局で在留資格認定証明書を添付し「日本人の配偶者等」の在留資格変更申請を受理してもらう

外国人配偶者が短期滞在90日ビザ(査証免除含む)で入国し、地方出入国在留管理局にて「日本人の配偶者等」の在留資格認定証明書交付申請をする方法について説明します。

滞在期間中(90日以内)に在留資格認定証明書が許可された場合、続けて「日本人の配偶者等」へ在留資格の変更許可申請をします。入管局の永住審査部門に出頭し、申請の受理が可能かどうか事前相談が必要になります。

この在留資格変更許可申請が受理されれば、外国人配偶者は申請結果が出るまで又は在留期間満了日から2か月のいずれか早い日まで日本に滞在することができます。

なお、在外公館で短期滞在査証(90日)を申請した場合は、申請結果が出るまで日本で在留資格認定証明書交付申請を行うことができません。

上記の方法により夫婦が離れ離れになる期間を短縮させ、許可されれば帰国せずに配偶者ビザが取得でき、日本に長期滞在が可能となります。しかしながら、この方法あくまで例外的な規定であり、不許可になった場合は指定された日までに出国しなければなりません。在留資格認定証明書が在留期間満了日までに交付されない場合も出国しなければなりません。