イタリア人との国際結婚

イタリア人との国際結婚は、日本で最初に婚姻届をする方式とイタリアで最初に婚姻届をする方式があります。

結婚後も日本で生活する場合は、日本で最初に結婚届をする方式を選択するほうが簡単かと思います。イタリア人は90日間査証免除で日本滞在ができるので、滞在中に結婚手続きを完了させれば、配偶者ビザの申請まで手続きを進めることができます。(現在は新型コロナの水際対策のため、ビザ免除措置が停止されています。)

イタリアで最初に結婚する方式は、イタリアに渡航し、約2週間の結婚の公示後に結婚式を挙げなければなりません。

以下では、日本先行の婚姻手続きと、イタリア先行の婚姻手続きとに分けて、説明していきます。

日本先行の結婚手続き

手続きの流れ

  1. 市区町村役場に婚姻届に必要な書類を確認する
  2. イタリア大使館で婚姻要件具備証明書(NULLA OSTA)を入手する
  3. 市区町村役場で婚姻届を提出する
  4. イタリア大使館に婚姻の報告をする
  5. 出入国在留管理局へ配偶者ビザを申請する

まずは婚姻届を提出する予定の市役所(区役所)に問い合わせ、イタリア人との国際結婚に必要な書類を事前に確認しておきます。

婚姻要件具備証明書を入手する

イタリア大使館に出頭し、婚姻要件具備証明書(NULLA OSTA)を発行してもらいます。

下記に必要書類を挙げますが、最新情報について大使館に確認の上、手続きを行ってください。

  • イタリア人の出生証明書(CERTIFICATO DI NASCITA)
  • イタリア人のパスポート

市役所(区役所)で婚姻届をする

婚姻要件具備証明書(NULLA OSTA)を入手したら、市役所(区役所)で婚姻届を行い、入籍します。婚姻届受理証明書と戸籍謄本(婚姻事実記載あり)は、イタリア大使館への報告的届出のために必要になります。

必要書類
  • 婚姻届(結婚当事者と証人2名の署名が必要)
  • 婚姻要件具備証明書(NULLA OSTA)
  • イタリア人のパスポート
  • 戸籍謄本(本籍地で届け出る場合は不要)
  • 日本人の身分証明書+印鑑

イタリア大使館に婚姻の報告をする

婚姻届受理証明書と戸籍謄本(婚姻事実記載あり)を外務省でアポスティーユ認証をします。届出が終われば、結婚証明書を発行してもらえるようになります。

必要書類
  • 婚姻届受理証明書:アポスティーユ認証あり
  • 戸籍謄本(婚姻事実記載あり):アポスティーユ認証あり
  • 夫婦のパスポート
  • 返信用レターパック

出入国在留管理局(入管局)で配偶者ビザを申請する

イタリア大使館で婚姻の報告が完了したら、出入国在留管理局(入管局)に配偶者ビザ(在留資格「日本人の配偶者等」)の申請をします。入管局への配偶者ビザ申請がイタリア人との国際結婚手続きの中で最難関の手続きと心得てください。入管局に提出する婚姻証明書類は以下になります。

  • 戸籍謄本(婚姻事実記載あり) 又は
  • 戸籍謄本(婚姻事実記載なし)+婚姻届受理証明書
  • 婚姻証明書の写し(原本は申請の際に提示します)+和訳(結婚証明書に和訳がない場合)

イタリア人配偶者が日本で在留資格をもって在留中のケース⇒在留資格変更許可申請 リンク先に移動します

イタリア人配偶者が本国(外国)で生活しているケース⇒在留資格認定証明書交付申請 リンク先に移動します

新型コロナウイルスと配偶者ビザ申請について

現在、新型コロナウイルスの感染拡大のため、「特段の事情」がない限り、日本上陸が拒否されています。特段の事情があるものの一つとして、「日本人・永住者の配偶者又は子」が挙げられていますので、日本の出入国在留管理局に対して「日本人の配偶者等」の在留資格認定証明書交付申請を行います。許可になると在留資格認定証明書が発行されるので原本をイタリア人配偶者あてに国際郵便で送ります。在留資格認定証明書の原本を持参して在イタリア日本国大使館で在留資格認定証明書に基づく査証の発給を受けます。これで日本入国ができるようになります。
コロナ禍における国際結婚と配偶者ビザ申請について

※令和4年9月4日より上陸拒否の対象地域がすべて解除され、令和4年10月11日以降はビザ免除措置も再開されています。参考:外務省ホームページ ビザ免除国・地域(短期滞在)

イタリアで最初に入籍する方式

手続きの流れ

  1. 婚姻届をする役所(COMUNE)で必要書類を確認する
  2. 在イタリア日本大使館で婚姻要件具備証明書を取得する
  3. 婚姻要件具備証明書を県庁で認証してもらう
  4. 役所(COMUNE)で結婚の申請をする
  5. 結婚の公示後、挙式をする
  6. 日本側に報告的婚姻届をする
  7. 出入国在留管理局へ配偶者ビザを申請する

まずは、婚姻手続きをする役所(COMUNE)に必要書類を確認します。日本人の婚姻要件具備証明書を在イタリア日本国大使館で取得します。

婚姻要件具備証明書の入手

在イタリア日本国大使館で婚姻要件具備証明書を取得します。所要日数は1日です。大使館または総領事館で発行された証明書は、県庁(PREFETTURA)での認証が必要となります。

必要書類
  • 日本人のパスポート
  • イタリア人婚約者のパスポート、身分証明書(CARTA D’IDENTITÀ)など、コピー可
  • 3ヶ月以内に発行された「戸籍謄本」

役所(COMUNE)で結婚の申請をする

イタリア人婚約者の住所地の役所(COMUNE)にて、婚姻の申請をします。申請の後、結婚の公示の手続きがあります。結婚の公開期間は少なくとも8日必要で日曜日を2回はさみます。この期間に誰からも異議がなければ結婚式ができるようになります。結婚式は役場(COMUNE)で行われます。結婚式が終わり、婚姻が登録されたら婚姻証明書が発行されます。

必要書類
  • 婚姻要件具備証明書:県庁で認証済のもの
  • 日本人のパスポート
  • イタリア人の身分証明書

日本側に報告的婚姻届をする

婚姻登録後3か月以内に日本の市区町村役場または在イタリア日本大使館に報告的婚姻届をします。

日本の市区町村役場に婚姻届をする場合は、1週間程度で戸籍謄本に入籍したことが記載されます。なお、届出予定の市区町村役場に婚姻届に必要な書類を事前に確認してください。

必要書類
  • 婚姻届
  • 戸籍謄本(本籍地で入籍する場合は不要)
  • 婚姻証明書と日本語訳
  • イタリア人のパスポートの写し、身分証明書と日本語訳

市区町村役場で婚姻届が受理されたら、出入国在留管理局(入管局)で配偶者ビザの申請をします。イタリア人配偶者の「日本人の配偶者等」の在留資格認定証明書交付申請をします。審査期間は1~3か月程度かかります。

関連記事

外国人配偶者の呼び寄せ(在留資格認定証明書交付申請)

在留資格の変更(外国人配偶者が日本在留のケース)

配偶者ビザ許可のために

配偶者ビザの申請においては、偽装結婚でなく真実の結婚であること、婚姻の安定性・継続性について自ら立証しなければなりません。配偶者ビザの審査は厳格に行われており、事前に入念な準備をしないで申請した結果、不許可になってしまう可能性も十分に考えられます。

入管当局の審査は入管法令や通達、内規により行われています。配偶者ビザの申請を専門とする行政書士事務所はこれらの法令等に精通し、申請書類を法令等で求められている要件に照らし合わせながら作成するため、許可率はご自分で申請される場合より高くなります。

配偶者ビザ申請は、多くの方にとって初めての経験であり、不安な点も多いかと思います。

当事務所では、ご依頼者様それぞれの状況に応じたオリジナルの申請書類を作成し、配偶者ビザが許可になる可能性を最大限に高めていきます。

まずは、お電話やメール、お問い合わせフォームにてお気軽にお問い合わせください